中田の棚田再生プロジェクト

棚田の保全活動を通して、人の繋がりを生み出すプロジェクト
事業者名(会社名) 中田の棚田再生プロジェクト
住所 和歌山県海草郡紀美野町中田
業種 農業
事業内容 農業、棚田の保全活動、都市農村交流

今回ご紹介する”中田の棚田再生プロジェクト”は、和歌山県紀美野町小川地域の中田の棚田が舞台。

600年の歴史を持つこの棚田ですが、近年、耕作放棄地が目立つようになってきたそうです。紀美野町まちづくり推進協議会で、棚田の保全活動の話があがっていたタイミングで棚田地域振興法が施行され、中田の棚田も指定棚田地域に認定されました。国の施策も追い風となり、小川地域棚田振興協議会を立ち上げ、本プロジェクトが始動したとのことです。

プロジェクトのチーフを務める南出典子さんと、紀美野町地域おこし協力隊の清水康正さんにお話を伺いました。

南出さんは「ボランティアとして農業に触れながら、地域と繋がる場にしてもらえたら嬉しいです。町役場も関わっているので、移住したい人には、定住先や仕事を探すお手伝いもできたらなと思っています。」と話します。

本プロジェクトは23名のメンバーで構成されており、その他約30名の登録ボランティアの方々(名称『棚田サポーターズ』)と一緒に活動しています。プロジェクトには6つの部会が存在し、農作業だけでなく、個人の”得意”を活かした活動ができるのも魅力。

棚田の文化を新しい形で次世代へ継承していく目的で活動している中田の棚田再生プロジェクト。今後は法人化も検討しつつ、イベントなどを通して多くの人との繋がりをつくりながら、活動の幅を広げていく予定だといいます。

今回体験できる内容

中田の棚田再生プロジェクトは、6つの部会で構成されているそう。農作業をメインとした農業部会、各種イベントの企画運営をするイベント部会、地域の人との繋がりや企業などとの関わりをつくる営業部会、棚田の魅力を発信する広報部会、自然や生き物の観察を行う生物調査部会、写真や動画で活動を撮影する映像部会と、さまざまな角度からプロジェクトを支えています。

人と関わることが好きなら営業部会、アイディアを活かしたいならイベント部会など、興味のあるジャンルがあれば、部会メンバーとしての参加も大歓迎だといいます。今回は、農作業を中心に体験しながら、希望に応じて部会の活動にも参加することができます。

「自然豊かな場所で暮らしたい。」「農業に興味はあるけど、いきなり本業にするのはハードルが高い。」「地域のコミュニティに触れてみたい。」そんな人にピッタリの体験になるはずです。

棚田を通して人が繋がる。プロジェクトがあなたの舞台になる。

棚田の保全活動として、棚田の水田を再生させるだけではなく、景観整備のための草刈りや、一部の農地を畑として活用するなど、作業の幅は広いそう。月に3回ほど設定されるプロジェクトの活動日には、集まったメンバーが農作業で汗を流しています。また、棚田を舞台とした田植え体験やキャンプなどのイベントも定期的に実施しており、町外・県外からも参加者が訪れ、都市農村交流の機会にもなっています。

「僕自身も去年、この町に来た”よそ者”なんですが、紀美野町やこのプロジェクトには溶け込みやすかったと感じています。メンバーは色々な地区から集まっているので、町内全域での関係性も作りやすいと思います。」そう笑顔で話してくれた、移住組の清水さん。”棚田で人を繋ぐ、棚田が時代(とき)を繋ぐ”というプロジェクトのビジョンは、参加メンバーの空気感にも現れているようでした。

続いて、南出さんも「いま、自然の中で暮らしたい、という人がとても多いように感じます。今回の体験を、移住を考える人のひとつのきっかけにしてもらえたら。私たちはよそ者・若者、大歓迎です。」と話します。

本プロジェクトが始まって3年。少しずつ再生している中田の棚田は、農林水産省が選出する”つなぐ棚田遺産(ポスト棚田百選)”にも選ばれています。まだまだ道半ばと話す南出さんと清水さんですが、これからの活動に、新たな”よそ者”の仲間入りを待ち望んでいる様子が印象的でした。

ゆくゆくは本業として農業をやってみたいという人はもちろん、自分で食べるものを自分でつくりたい人、家庭菜園の範囲で農業をやっていきたいという人も、このプロジェクトを通して、農業×”自身の得意”を掛け合わせた体験をしてみませんか?

スケジュールイメージ

1日目(13:00~17:00)
1.ごあいさつ、やりたいことや目的の確認
2.中田の棚田再生プロジェクトの説明
3.農作業のお手伝い
棚田の見学/農作業/部会活動など
※時期、天候状況によって変更があります。

2日目(9:00~17:00)
1.農作業のお手伝い
棚田の見学/農作業/部会活動など
※時期、天候状況によって変更があります。

3日目(9:00~15:00)
1.農作業のお手伝い
棚田の見学/農作業/部会活動など
※時期、天候状況によって変更があります。
2.体験の感想、質疑応答

補足事項

最少催行人数:1名
宿 泊 場 所 :近隣宿泊施設をご紹介

体験経費

参加費:無料
宿泊費:5,000円/泊まで補助あり
※初回の体験のみ適用
食費:自費負担
交通費(自宅~集合場所):自費負担

体験者の声

体験先の人たちは、色々と気を使ってくださりとても体験しやすい環境を作ってくれました。また、行きたいなぁと思っています。(40代以上・大阪府在住)
─────────────────────────
複数回参加していますが、いつも地元に帰ってきたかとようにお迎えしてくれるのでとても嬉しくいつも楽しく過ごすことが出来ます。
体験以外でも、自然や環境についてタメになる話をしてくださるのでこちらも勉強になります。(東京都在住)
─────────────────────────
1泊2日とは思えない程、充実した内容でした。
地域おこし協力隊の清水さんにアテンドしていただき、プロジェクトに関わっている皆さんともお会いしてお話が出来ました。
自分1人で見学に行っただけではこういった事は難しいので、移住を検討する上でとても有難い制度だと思います。(千葉県在住)
─────────────────────────
中田の棚田プロジェクトでは、芋掘りや柚子、椎茸の収穫と電気柵の撤去などもお手伝いさせていただきました。作業前のラジオ体操中に山の上から野生のニホンカモシカが私たちを見学しに来ました。そんな体験もなかなかできないので貴重な時間でした。
皆さまには私を暖かく迎い入れてくれたことを大変ありがたく思っています。
ぜひ今後も参加させていただきたいプロジェクトでした。
もっともっとたくさんの人に和歌山県の良さ、中田の棚田プロジェクトサポーター達の優しさなどを知っていただけたらと思います。(東京都在住)
─────────────────────────