薗田涼子さん

大阪府→紀の川市

鹿児島県生まれ。3歳から住んでいた大阪市から紀の川市に家族と一緒に移住してきたのは2016年でした。古民家を改修して「Cafe Tomobuchi」を開き、店の前にある山との距離感や豊かな自然を日々楽しみ、地域の人の集まる場になるようにと活動しています。

「紀の川市」に惹かれて

40年以上にわたって、フリーアナウンサーとして毎日ラジオに出演し、司会の仕事もこなす多忙な日々を送る傍ら、機会を設けて友人を集めるホームパーティーを開き、料理の腕を磨いてきた薗田さん。自身の還暦パーティーで「これからは田舎の古民家でカフェをしたい」という思いを話したところ、その場にいた和歌山に移住した友人から「和歌山はおすすめですよ。子育てにもいいですし」と聞き、「子育てにいいということは、きっとやさしい町なんだ」と、和歌山に興味を持ちました。

その翌月、2015年3月に初めて和歌山を訪れた際、「紀の川市」という名前が気に入り、たちまち移住先を決定。それからは空き家があると聞けば見学に行くことを繰り返し、10数軒目に出合ったのが今の中鞆渕(なかともぶち)地区の空き家でした。不動産の知識はありませんでしたが、縁を感じて空き家の購入、移住を決めました。

家は築100年を超えるいわゆる「古民家」と築25年ほどの現代的な民家の2棟。現代的な方を住居とし、古民家はそのままの味を生かして壁と床だけを張り替え、カフェの準備が整いました。

トイレなど水回りについては特にこだわったため、浄化槽の設置をきっかけに、近隣の農家としっかり話し合いました。一緒に水を流す方向を決めたことはとても大事で、話し合って良かったと振り返ります。

地域の人とカフェの関係

カフェは2017年5月にオープンしました。当初は地区住民やその友人、知人が口コミで訪ねてくれ、9月には市の広報誌に掲載されたことで、県内外を問わずに来店するようになりました。「今では地域の方が鞆渕の自慢やと言って下さる。1軒店ができるだけで人の動きが変わるんだと思いました。景色も申し分ないけど、ご近所の皆さんの温かさがうれしい」と薗田さん。

今後は店を「みんなが会える場所、地域のコミュニティにしたいと思っています」と言います。また、近所のおばあちゃん達に締め縄作りを教えてもらったり、音楽ライブや落語などのイベントを鞆渕に居ながら楽しんだりできる場所にしていきたいそうです。

「どんなサプリよりもいい環境」

鞆渕地区について薗田さんは「行って見て、肌で感じるものが、ここはすごく良くて。その感じが今も変わらない」とほほ笑みます。「これまでずっと団地やマンション住まいだったので、土を踏めるのがいいんです。目の前に広がっている景色や空気が、どんなサプリメントよりもいいのではないかと思います。畑からとってきてすぐの野菜もありますしね」

今後移住してくる人には「田舎に行って何がしたいかが一番大事。田舎でぼーっとしたいと言う人がよくいるけど、ぼーっとするのは1週間もすると飽きる。自然が好きだから来るのもいいけど、他にやりたいことを持ってきて。それから、田舎だからこそ人間関係は重要。人づきあいが苦手な人はしんどいかもしれないです」とアドバイスしてくれました。

すごくバイタリティに溢れた薗田さん。薗田さんの元に人が集まり、笑顔が絶えないのはこの人柄が理由の一つだろうなと、話に引き込まれながら思いました。

そして薗田さんは、わかやま和み暮らし推進協議会の協賛事業者「わかやま移住サポーター」としても活動してくれています。移住を希望している方なら、わかやま定住サポートセンターで発行している「わかやま移住メンバーズカード」を持って薗田さんのカフェに行くとお得なサービスが受けられますよ。

Cafe Tomobuchi
・所在地 〒649-6573 和歌山県紀の川市中鞆渕1658
・TEL 0736-79-3767
・Facebook @cafetomobuchi