吉田 亮 さん

大阪府⇔和歌山市

母との生活を大事にしながら、
二地域で暮らす

母親の生活を案じ、大阪と和歌山での二地域居住を開始。自分自身も気持ちの切り替えができるようになり週末は和歌山で活動的に過ごす

【職業】
会社員(社会福祉法人)

【拠点】
① 大阪府東大阪市(一人暮らし)
② 和歌山市(母との二人暮らし)

【吉田さんの二地域居住ストーリー】
吉田さんは、埼玉県所沢市在住時に、東京都内で暮らしていた母親が体調を崩したことがきっかけで、東京圏で生活する必要性について考えるようになった。その際、昔住んでいた和歌山に戻りたいという気持ちが強くなった吉田さんは、和歌山市に中古物件を購入。先に母親が和歌山市に移住し、自身は仕事のため引き続き所沢市と和歌山市の二地域居住を始めた。しかし、2018年の台風18号が関西で猛威を振るった際に、母親の身を案じ、関西へのUターンを決める。現在は、職場がある大阪府東大阪市と母親が暮らす和歌山市で二地域居住を行っている。

 

1.二地域居住のきっかけ

こどもの頃に住んでいた関西で暮らしたい

小学2年生までは兵庫県で住んでいましたが、親の仕事の都合で、和歌山市へ引っ越し、大学に進学するまで住んでいました。その後、大学を卒業、社会福祉士資格を取得し、東京都内の社会福祉法人勤務を経て、東京都内の市役所で勤めていました。そんな時に、東京に転居していた母が体調を崩し、当時、自分が住んでいた所沢市から母の元へ通うことになりました。何かあった時のことを考えると、傍に居ることが出来ないのは心配でした。

また、市役所の仕事を続けることや首都圏における人間関係の希薄さ、東京の気ぜわしさに対して、徐々に「しんどさ」を感じるようになっていたこともあり、こどもの頃に住んでいた関西に想いを馳せるようになりました。そんな中、土地勘のある和歌山で物件を探し始めたことが、二地域居住のきっかけとなりました。

2.住まい探し

不動産物件検索サイトを頼りに、和歌浦で良物件を見つける

インターネット上の不動産物件検索サイトを頼りに、和歌山県内の物件を調べました。紀の川市や紀美野町なども調べましたが、価格が予算を上回っていたり、現地を訪問すると、かなり山間部にあり、冬場の積雪が心配されることがわかったりと、物件探しは難航しました。そんな折、和歌浦でとても好条件の物件が見つかりました。価格は予算を超えていましたが、不老橋や玉津島神社といった名跡のすぐ近くという好立地で、母親とも相談し、物件購入を決断しました。

当初は、母親のみが和歌山市に移住し、私は東京での仕事を続けながら所沢市と和歌山市の二拠点間を移動する生活を送りました。そんな中、2018年9月に台風18号が関西で猛威を振るったことがきっかけとなり、私も転職の予定を早めて和歌山市に移住することを決めました。和歌山に移住した当初は、県内の福祉法人に就職しましたが、東大阪市で自分の関心領域に近い活動をしている福祉法人を見付けたことから、転職し、現在、平日は東大阪市、週末は和歌山市で暮らしています。

自宅の近くにある名跡・不老橋

3.地域の生活情報の収集

現地に足を運び情報を集める

和歌山での物件購入に向けて、物件以外の和歌山の情報を色々集めました。県や市の公式サイトや、テレビ和歌山、和歌山放送、わかやま新報、ニュース和歌山など各種メディアのサイトの記事などをこまめにチェックしていました。また、和歌山を訪問した際には、自分の目と耳で和歌山の情報を集めました。和歌山在住の幼馴染からも色々な情報を教えてもらいました。一方、観光客や移住・Uターン希望者向けに発信された情報は、日々の暮らしに直結するリアルな情報が少ない印象があり、あまり参考にはしませんでした。

4.拠点間の移動

平日は東大阪で、ほぼ毎週末は和歌山へ

金曜日の夜に和歌山市に帰り、日曜日の夜に東大阪に戻ります。電車を使う時もあれば、荷物が多い時は自家用車を使うこともあります。交通費は毎月10,000円程度です。

5.和歌山市での暮らし

和歌山の自然やグルメ(食べ歩き)を満喫

ほぼ毎週末は和歌山市の自宅で過ごしていますが、自宅にはきれいな日本庭園があり、初めて庭づくり・ガーデニングに挑戦してみました。ホームセンターに通い、用具を揃えました。また、高野山や生石高原などにドライブに出かけたり、紀南まで足を伸ばし、ご当地グルメを楽しんだりしています。和歌山市内はもっぱら食べ歩きです。お気に入りのお店も何軒かありますが、再訪できないほど、行きたいお店がたくさんあります。このように、平日の東大阪市での生活とは全く異なる週末生活ですので、オンとオフの気持ちの切り替えがスムーズにでき、二地域居住のメリットだと感じています。

ドライブで訪れた高野山の紅葉

6.和歌山の暮らしの困りごと

生活コストの増大と移動時間の浪費

家電製品、日用品、消耗品など生活に必要なものをそれぞれの拠点で揃える必要があり、生活コストが増えました。また、拠点間の移動にも交通費に加え、移動時間(片道2時間)もかかります。金曜日と日曜日の夜の時間を移動に使うため、職場や地域のイベント等に参加できないといったこともあります。

7.ご近所の方とのつきあいについて

都会と異なり、積極的なコミュニケーションも必要

お互い打ち解けるまで1年程時間がかかりましたが、ご近所の方とは、良好な関係を築いています。母には、「東京と和歌山では近所付き合いの距離の取り方がちがうので、早く慣れるためにこちらからも積極的にコミュニケーションをとるように」と言い聞かせています。その効果もあって、今では地域に馴染むことができて、ご近所の方からお裾分けなどもいただくことがあります。

8.今後、和歌山でやってみたいこと

和歌山の魅力と移住の経験を発信

ものすごく地味ですが、Facebookやインスタグラムを使って、和歌山の魅力を発信し続けたいと思っています。和歌山への移住者の増加につながるような活動もしてみたいですが、ゼロから何かを始めることが苦手ですし、和歌山に滞在する時間も限られますので、しばらくはツナガルワカヤマが行なっている「移住者交流会」の活動に参加しようと思っています。ツナガルワカヤマは、東京から和歌山市に移住されたご夫婦が運営されている移住者コミュニティで、和歌浦を中心に移住者交流イベントを多数開催されています。

私としては、このようなイベントに参加し、自らの経験を語れることに、とてもやりがいを感じています。これから二地域居住を始める方にとって、馴染みのない地域社会に飛び込むことは簡単ではないので、まずは「移住者交流会」の場を活用して、先輩移住者の経験を知ることから始めてみてはと思います。

移住者や地元住民との交流会の様子

ご参考
ツナガルワカヤマHP
https://tsunawaka.com/