兵庫県たつの市出身。和歌山大学へ進学のため、和歌山市へ。「まちなか」暮らしに興味を持ち、人との出会い、つながりを広げることを大学卒業後も楽しんでいます。地域の良さを発信するため、ブログやイベント開催に携わっています。
「まちなか」への興味
長戸さんが「まちなか」に興味を持ったのは大学3年生の時。まちづくりに必要な遊休不動産再生の手法などを学ぶ「リノベーションスクール」に参加したのがきっかけでした。スクールを通じて「これからさらに和歌山市は面白くなるのでは。もっと入り込んでみよう」と思ったそうです。
大学3年生を修了後、1年間休学しました。大学のインターンシッププログラムの中で地域に入って活動したこともありましたが、地域の人とうまく関係を築けませんでした。「住んでいる町を自然な形で面白がりたい。そのために人やお店が集まる『まちなか』で暮らして、日常から積極的に地域に関わっていきたい」と思い、市内の商店街にある飲食店や、イベントスペースとして運営されていた「シェアキッチンPLUG(プラグ)」で働きました。
交流が生まれる場をつくる
大学卒業後はプラグでの経験を生かして、営業時間の終了した本屋を間借りして「出汁茶漬けバー」に挑戦しました(2018年8月末で営業終了、移転予定)。「カウンター席なので距離が近く、隣同士のお客さんが初対面でも会話が生まれます」と笑顔で話しました。
またプラグでは、お客さんを主役にテーマを決めて、熱く語り合うようなイベントの開催もしていました。例えば、和歌山県民のソウルフード「茶がゆ」の食べ比べイベントを主催。“地域の当たり前”をよそ者目線で楽しむこと、地域の人が地域のおもしろさに改めて気付けるようにすることに関心があり、新たな交流が生まれる場所になるようにと企画したそうです。
“和歌山らしさ”を発信
長戸さんは大学4年時から、友人と“おもしろい和歌山”を他の人にも紹介しようと「ワカヤマチック」というブログを運営しています。「大学時代に地域を楽しむことができれば、県内での就職の可能性も高くなるし、故郷として帰る場所にもなると思います」と言います。
取材には2人で行くのですが、現在は相棒と頻繁に会えないため、更新は停滞気味。「今後はジャンルを狭めて“和歌山らしさ”を発信していけたらいいな」と話しているそうです。
18年現在は和歌山市内でコワーキングスペースやネットメディアなどを運営するLoocal(ルーカル)という会社で働いています。他に、移住したくなるように和歌山をPRする団体「和歌山移住計画」に関わったり、和歌山市への帰省者に向けた小冊子「キセイびと」の編集に携わったりと、和歌山の魅力発信に取り組んでいます。
和歌山を“ふるさと”に
和歌山のいいところは「ふとしたものにも実は深い歴史があったり、見逃されがちな価値があったりするところ。それと、自由に何でも挑戦できる余白がたくさんあるところだと思います」と話します。
「やりたいことは絶対にここ(和歌山)でしかできない訳ではないです。でも、せっかくつながりができたし、暮らしていてすごく楽しいのでそのまま暮らしたいと思っています」
最後に、これから移住をしようという人へのアドバイスを聞きました。「生まれ育った場所でなくても、自分から地域に主体的に関わり、人間関係が広がれば、住んでいる場所が“ふるさと”として感じられるようになります。ぜひ一歩踏み出し、そこでの暮らしを充実させるために何が必要なのかを考え、和歌山暮らしを楽しんでほしいです」
和歌山市は県庁所在地で県内では都会です。大都会のように他人と干渉し合わない生活もできるでしょう。しかし自ら地域に入り込み、「まちなか」を楽しむ長戸さんの姿に、今後和歌山市がますます楽しくなっていきそうな可能性を感じました。
・所在地 和歌山県和歌山市万町4ニューリチャードビル2F
・TEL 050-3681-6395
・ホームページ https://loocal.jp■ワカヤマチック
ホームページ http://wakayamatic.hatenadiary.jp/