見ず知らずの土地でも、
自分自身であるために
将来の移住に備えた「プレ移住」として、二地域居住を開始
目標を共有できる仲間も増え、「ヨガの先生」として活躍中
【職業】
会社員、ヨガインストラクター
【拠点】
① 那智勝浦町(一人暮らし)
② 神奈川県横浜市(夫と二人暮らし)
【山口さんの二地域居住ストーリー】
夫の実家のある和歌山県への将来的な移住を見据えて、事前に自らのコミュニティ、居場所、友達づくりを行うため、那智勝浦町と横浜市の二地域居住をスタートした山口さん。会社員としての仕事をリモートワークでこなしつつ、2週間ごとに那智勝浦町と横浜市を行き来する生活。ゼロからのスタートとなった那智勝浦町では、ヨガインストラクターとして活躍し、社交性の高さもあって、友達は急増中。価値観の合う、目標を共有できる仲間とともに、那智勝浦町を盛り上げている。
1.二地域居住のきっかけ・目的
将来的な移住に備えた事前準備として
「夫の実家がある和歌山にいずれは移住する」という漠然としていた将来が45歳を過ぎて現実味を帯びてきました。これまで、自分の仕事を持ち、「山口真紀」としてのアイデンティティや自身のコミュニティを築いてきたのに、それが和歌山に移住した途端に「山口さんのお嫁さん」という肩書きだけになってしまうことに、違和感を覚えました。そして、そうならないため、事前に和歌山で自らの居場所、友人を作っておこうと考えるようになり、二地域居住を検討し始めました。
2.二つ目の拠点での暮らし
ヨガインストラクターとしてヨガ教室を開く
那智勝浦町ではヨガインストラクターとして、公民館などでヨガ教室を定期的に開催しています。今後は、お香教室なども開きたいと考えています。
3.拠点の見つけ方
和歌山県の現地案内サービスやお試し居住を通じて拠点を見つける
和歌山県内で拠点探しをすることは決まっていたので、県の現地案内サービスを活用しました。車に乗せてもらい、白浜町、田辺市、すさみ町、串本町、新宮市そして那智勝浦町を案内していただきました。担当者の方が、移住者にとって地域とのつながりを育むことがとても重要だと認識されている方で、各地のキーパーソンを紹介してくれました。
和歌山では、ヨガインストラクターとして活動していきたいと考えていたこともあり、那智勝浦町の海に囲まれた「陸の孤島感」がヨガには最適だと感じました。その後、ホテルやゲストハウスなどを利用しながら、お試し居住を何度か繰り返す中で、価値観の合う多くの人達と出会い、那智勝浦町の魅力に惹かれていきました。
4.移動
月の半分ずつを各拠点で過ごし、移動は飛行機、荷物は最小限で
二地域居住を開始して1年半程が経過し、徐々にペースをつかめるようになりました。今は、月の半分を和歌山で、残りは横浜に戻って仕事をしています。移動手段は飛行機です。南紀白浜空港までは、自家用車を使います。
荷物は小型のスーツケース1つに、パソコン2台、iPad、仕事で必要な書類程度です。衣替えの時期は少し荷物が多くなるので、宅配で事前に送るようにしています。
5.和歌山(那智勝浦町)の魅力
目標を共有できる仲間の存在。それがこの町の魅力
那智勝浦町の魅力はなんといっても「行動力あふれる人々」の存在です。自分で考えて、やりたいと思ったことを実際に実行していらっしゃる方が多いと思います。町の規模は小さいですが、それがむしろ、実行力を推進しているのでは?と個人的には感じています。
町に出れば、仲間にすぐに会うことができます。カフェやバー、居酒屋などで会い、「こんなこと思いついたんだけど」とか「こんなこと考えているんだけど」という感じで対話し、共感しあいながら、自分達がおもしろいと思うことの実現に向けて、目標を共有できる環境がここにはあります。
6.二地域居住での「困りごと」
全く想像していなかった”意外”な「困りごと」
実際に二地域居住を実践してみて、イメージと大きな違いはありませんでした。お試し滞在期間中に、想定以上に田舎であることは認識できていましたし、むしろ、その方がヨガを行う環境としては良いと感じていました。ただ、「かび」の多さには驚いています。熊野古道の美しい苔を見ているので受け入れられますが(笑)、この「かび」が私にとっての唯一の「困りごと」です。
7.家族の理解
「今では、夫の方が那智勝浦町を満喫」
家族の理解は全く問題ありません。というより、最近では夫の方が那智勝浦町を満喫しています。一緒に来ては、私よりもどんどん知り合いや友達が増えているようで、あだ名で呼び合ったりしているくらいです。
8.これから二地域居住をしたいと考える方へ
「二地域居住で何を目指すのか」「その地域で何をするのか」をしっかり考えて
「二地域居住の目的」と「どうしてその地域でないといけないのか」ということを、自身で言語化できるくらいのビジョンを持っておいた方が良いと思います。リアルな生活を想像できるかどうかも大事です。そして、「実際に(二地域居住を実践)できるかどうか」を判断する必要があるので、短期滞在住宅などを利用し、その地域の方と食事をしたり、飲みに行ったりする時間を私は大切にしていました。