広島県福山市出身。2010年から季節労働者としてみかんの収穫作業に来ていたことで、湯浅町が好きになり、2015年11月に移住。10年前から『chill no ki』(ちるのき)というアーティスト名で染物作家として、全国で展示会を開催するなど創作活動を行っている。
みかん狩りがきっかけで移住を決断
橋本さんが湯浅町を訪れたのは2010年。季節限定でみかんの収穫の仕事に就いたのが始まりです。「農家さんが1年かけて育てたみかんの仕事に自分が携われる。これは美しくて幸せな仕事だと思いました」。
毎年1ヶ月半くらいみかん農家に住み込みます。経験を積むにつれ、スーパーや銭湯で町の人たちと触れ合う機会も年々多くなりました。「ここにいると、素の自分で人に接することができる。湯浅の人たちって風通しが良いと感じました。年中、湯浅で暮らせたら素敵だなと思い、移住を決めました。」
2015年11月に移住。地元の不動産店で見つけた工房兼住宅で暮らしています。「軽い気持ちで『1年住んで帰ろう』と思ったら、もう4年です(笑)」。
「chill no ki」として全国で活動
移住前から染物作家「chill no ki(ちるのき)」として活動している橋本さん。柿渋、藍などをロウケツで染めた衣類や雑貨をオリジナルで作っています。創作活動に至るきっかけは感性の赴くまま。ロウケツ染めは、偶然見かけたアメリカのロックバンド「ザ・グレイトフル・デッド」のバティック(ロウケツ染め布地)Tシャツに施された蝋の亀裂に心を奪われて技法を習得。また過去に訪れたニュージーランドでは景色の美しさに思わず「これを絵にしたい!」と惚れ込みました。
「私の場合はどれも独学。滋賀県の芸大でファッションは学んでいたので下地はありましたが、技法も人も全て、出会っては取り入れ、出会っては取り入れ、単純です(笑)。だから、やりたいからやってきただけ。湯浅に住んでいるのも必然なんです」。現在は全国各地で展示会を行うなど、湯浅町を拠点に活動を続けています。
▲創作活動は自宅兼工房にある庭で行う
暮らして感じる湯浅の良いところ
そんな直感で生活する、文字通り芸術家肌の橋本さん。もしかして、将来的に湯浅を離れることもあるのでは?
「それ、考えたことがあるんですけど、私にとって、和歌山県って常に更新される土地なんですよ。どこに行っても私が欲しいものがある。湯浅はもちろんだけど、和歌山の美しさは、日本のどこにもない。そして夜になって寝るのは、ここじゃなきゃ嫌なんです、私(笑)。断言はできないけど、住みたいと思うのは湯浅だけ。海も山も川もあって、魚も果物もある。何百年前の建物だってあります。それは素晴らしいことです」。
▲爽やかな潮風を感じる、お気に入りの場所
「移住したいなら、まずは住めばいい」
湯浅町が好きで移住してきた橋本さん。これから和歌山県への移住を考えている人たちへのアドバイスとは?
「移住に際して、個人によって状況は異なると思いますし、考え出すと思い止まることもあると思いますが、住みたかったら、まずはすぐ住んでみること! ダメなら戻れば良いと思います」。
湯浅でアトリエを持ちたい!
染物作家として活動を続ける橋本さん、これからの目標は?
「将来の目標は湯浅でアトリエを持つこと。和歌山は希少な植物があちこちに棲息しているようなんです。草木染めをする上で「宝の山」だとわかったので、湯浅で大きいアトリエを持った上で、和歌山で採取できる植物で作品を作ったり、皆さんを楽しませることができればと思います」。
▲和歌山市で開催された展示会の様子
▲「chill no ki」とは、木の下でのんびりするイメージをもとにつくった造語
chill no ki
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問い合わせ先 chill-no-ki@hotmail.co.jp